• サステナブル(持続可能)な歯科治療

唾液ヘモグロビン検査を中心に日本において歯周病の予防と治療のための唾液検査体制 が、臨床の場に登場する時代が来てます。

唾液ヘモグロビン検査の意味

唾液腺から分泌される唾液にヘモグロビンは含まれていない。

唾液ヘモグロビン検査は、歯肉 に炎症を起こした

歯肉溝浸出液中に微量ながら含まれる血液由来のヘモグロビンを検査する手 法です。

歯肉は歯面に蓄積するバイオフィルムの細菌刺激を受けて炎症状態に陥り やすいです。

唾液ヘモグロビンの量は、歯肉の炎症の程度を表しています。

しかし、

口腔の炎症は歯肉炎、歯周炎に限らないことに注意しなければならない。

また、

鼻出血など鼻腔の炎症を唾液 ヘモグロビンが反映することもあります。

唾液を検体とした歯周病スクリーニング唾液による歯周病検診とは、

唾液を検体とした臨床検査による歯周病スクリーニングです。

具体的には

唾液中のヘモグロビン(Hb)および乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度を指標として、これに問診スコアを加味して、重度歯周病患者の(CPI コード 3 または CPI コード 4)スクリー ニング検査を実施します。

歯周疾患は、成人の約 80%、推定 9,000 万人に蔓延する生活習慣病で、歯を喪失させる主な原因の 1 つです。

また、全身には、心臓発作、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、乳がん、糖尿病、動脈硬化、早産、低体重児出産、関節リウマチ、アルツハイマー型認知症、誤嚥性肺炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の関連性があります。

つまり

歯周病を制御すれば、多数の示した疾患に罹りにくくなるし、軽症になる可能性があります。

しかし、

歯周病の検査の実施は、コストがかかります。

この現状を打破するためには、非侵襲的かつ集 団で適用できる唾液検査をスクリーニング検査に導入する必要があります。

そこで、

唾液ヘモグロビン検査が有効になるわけです。