歯周病と全身とのかかわり
歯周病は自覚症状があまりなく、慢性の経過をたどるのが特徴です。
全ての歯に5mm程度の歯周ポケットがあるとすると、その内面をトータルすると
約72c㎡にのぼる(添付写真)。8cm以上四方の潰瘍を伴う病変が皮膚や内臓などの他の臓器にあると想像すれば、それが全身に影響を与えると考えるのは容易といえる。
歯周病が全身疾患に及ぼす影響に関する研究の動向
1)歯性感染症
口腔細菌による感染症です。
感染性心内膜炎、老人に多い誤嚥性肺炎、早産等が代表例です。
2)心臓血管疾患
最近欧米では歯周病がリスクファクターとなり得る疾患として、心臓血管疾患(CHD)が大きく取り上げられている。日本ではあまり注目されていないが,欧米ではこの病気での死亡率が高く、歯周病との関係が詳しく研究されています。
3)糖尿病
糖尿病は歯周病のリスクファクターであるが、逆に歯周病が糖尿病患者の血糖コントロールに影響を与える可能性が問われています。
4)低体重児早産
早産の割合は全出産の10%ほどで、その多くの原因は、膣内感染や喫煙、アルコール摂取などといわれています。しかし、中・重度の歯周病(ポケット3mm以上)に罹患している母親は、アルコール摂取、喫煙などの場合より7.5倍低体重児出産する危険度があるという報告があります。
歯周病に影響を与える全身疾患、全身状態
1)糖尿病
2)喫煙
3)心理的ストレス
4)骨粗鬆症
5)薬物による歯肉増殖症が歯周病に与える影響